アナタがこれから学生を卒業し、社会人になってコンサルタントとして活躍していく上で必要な考え方があります。
それが「目的を意識する」という事です。
今回はこの考えを深堀りしていきます。
目的を意識する。
これはもしかしたら社会人として一番重要なスキルかもしれない。
人がが行う業務には全て「目的」があります。
「なぜ、それをするのか、その目的は?」
それを常に説いてください。
結構出来ない人多いです。
目的を達成する施策を「手段」と言います。
これが逆転するんですね。
いわゆる「手段の目的化」です。
会社で言う「業務」とは「売上などの目的を達成する為の手段」ですよね。
組織においては「業務(=手段)」は生産性を高めるため、ルール化・ガイドライン化されます。
そうするとそのルールやガイドラインを遂行する事が目的になってしまうんです。(手段の目的化)
そうすると例えばITとかでもっといい手段が出てきてもそのルールやガイドラインをやり続けるという逆に生産性が下がる結果になるんです。
アナタは「サーカスの象」って逸話知っていますか?
サーカスの象は鎖を外しても逃げないんです。
何故だか分かりますか?
それはまだ鎖を引きちぎることができない幼少の頃から、サーカス団で飼われ、その頃から鎖につながれることを「習慣」として植え付けられてしまっているから、というお話です。
同じ現象だと思います。
手段の目的化って言わば思考停止なんです。
目的を見失うと当然ながら目的を達成できなくなりますし、思考停止しているから意味のないことを黙々とする羽目になるんです。
ちなみに、「目的」と「ゴール」の違いは分かりますか?
ゴールはその目的が達成されている「状態」を指します。
目的よりも幾分「具体的に」「定量的に」「イメージ化」されたものと思ってください。
特に「イメージ化」がとても大事。
イメージ化するとすべきことがおのずと見えてきます。
そう考えると以前触れた思考は現実化するという要素もあるのかもしれませんね。
幸運にもアナタが入社する会社はエグいぐらいこの「目的思考」を注入してくれます。
もう「目的・ゴール」という言葉の生みの親なんか、ってくらい。
その会社では1日10回くらい「目的は?ゴールは?」と聞かれます。
だからこそ生産性が高いんですね。
生みの親かって冗談でいいましたが、実はそうと言えばそうなんです。
その会社はかつて「目的とゴール」で飯を食っていた時代があったんですよ。
1980年代頃、大企業を中心に多くの企業が「ホワイトカラーの生産性」を意識しだしたんですね。
というのも高度成長期でアゲアゲだったベンチャーは成長期を経て80年代に大企業となり、安定期に入っていったんです。
その時起こったのが、お伝えした「手段の目的化」。
伝票はこう処理する、タイムカードはこう切るなどのガイドライン・ルールが整備された結果、それら手段が完全に目的化されてしまった。
全く考えないロボットのような社員が増えた。
生産性一気にダウンです。
本来社員が目的思考を持っていれば「ん?目的から考えればこれはこうした方がいいんでは?」「ん?目的から考えればこの業務はいらないのでは?」と主体的に考え、生産性が上がるはずなんです。
でもできない。
そこでその会社が「目的思考」の重要性を書籍にして大ヒット。
厳密に言えば「目的思考」ではありきたりでお金にならないから当初珍しかった「ゴール」という表現に変えて世に説いたんですね。
目的達成以外は全て捨てる。
例えば提案書を作る際、「顧客にメッセージが伝わる」という目的においては綺麗な提案書もレイアウトルールもいらない、という事です。
(アナタは提案書のレイアウトとかにこだわっちゃうから注意w)
形式主義からの脱却です。
このゴール思考は大企業を中心に広く受け入れられ、大儲かりしたそうです。
面白いのが目的・ゴールだけでなくそれを達成する手段についても世に説いた所。
手法の詳細は割愛しますが、TB(タスクブレイクダウン)と言って目的・ゴールから逆算してタスク(業務)をブレイクダウン(落とし込み)ましょうという考え方。
これ、めっちゃいいんですよね。
めっちゃ使える。
ボク自身は以下のやり方でTBしています。
①目的・ゴールを意識してタスクを洗い出し
②段階や種類に応じてグルーピング
③人が関わる事は先に行う(依頼、質問、ホウレンソウ)
④作業レベルは 移動中に行うようスケジューリング
めちゃめちゃ生産性上がります。
業務を分解するから負担感がないしね。(1つ10時間より3つ3時間の方が精神的に楽)
ちなみにタスクに落としづらい業務ややりたくない業務は1時間まずやってみる。
やってみると見えてくる事もあるし、「勢いが乗って一気に出来る」事もあるし。
以上を踏まえて、しっかりと目的とゴールを意識して業務に励んでください。
この目的ですが、意外な所で役に立つんです。
何か分かりますか?
読書なんです。
本は過去の賢人との会話でありとても大事です。
ましてや経営コンサルタントは情報商売ですから本を読むことは歯を磨くことくらい大事で当たり前なことです。
だからこそ大事な視点があります。
「本を読む事を目的にしない」という事です。
本を読む人は2つに分かれます。
①本を読むことが手段の人
②本を読むことが目的の人
①の人はとりわけ小説などを趣味として読んでいる方ですね。
②は情報収集を目的として本を読む方ですね。
もちろんどちらが良いというわけではありません。
趣味として楽しむ時は①がいいでしょうし、効率を重視する場合は②がいいでしょう。
ただ、ビジネスにおいては圧倒的に②が多いです。(というか全てです)
ですから、情報収集を目的とした読み方をしてください。
情報収集が目的なのに①の読み方をしていると1冊で日が暮れてしまいます・・・。
例えば以下のやり方などを押さえてください。
①「段落1分目を読む」「分からない部分だけななめ読み」
②必要ないところは「読まない」
①については情報系の書籍は小説などと違い、ありがたいことに段落ごとに要点がまとまっています。
ざっと段落の最初だけ読み、意味がわからなかった所だけななめ読みをしましょう。
②については情報収集を目的とした場合、当然全て読む必要がないケースが出てきます。
1章は読む必要があるけど2章はいらないかな、といった具合に。
多くの方はせっかく買ったのだから・・・と2章も読むのではないでしょうか。
でもね、買ったのは本ではなく目的である情報です。
目的を達成すれば本の対価は得ているんです。
ですから、勇気を持って目的を達成すれば本を閉じてください。
その余った時間で違う本を読んだほうが幾分効率的です。
本を読む事は大事です。
一方で単に本を読むのではなく目的を意識して読んでくださいね。
以上、目的という観点で本との向き合い方を観点でお伝えしましたが、もう一つメッセージがあります。(長くてごめんさい笑)
「ボディビルダーにならないように気をつける。」という事です。
どういう事かと言うと「”鍛錬という手段”の目的化」です。
本来鍛錬って手段だと思うんです。
「こうなりたい」という目的があるから「鍛錬」するなら分かる。
でも経営コンサルタントって意識が高いから「鍛錬」が好きなんですよね。
「鍛錬したい」から「鍛錬」しているんです。
「成長してる〜」とエクスタシーを感じるんですね。
個人的にはあんまり意味ないと思うな。
これって格闘家が細くても強い一方でボディビルダーが格闘が強いわけじゃない、って現象に似ていません?(失礼w)
だからボディビルダーにならないで、という表現なんです。
人生は短いですから、「こうなりたい」という目的から逆算して鍛錬して欲しいです。
「バッターボックスに立つ」という言葉を聞いたことありますか?
「成長の為に全てのチャンスに手を挙げる」という考え方なんですが、ボクはあまり好きではないです。
自分の目的に沿わない事は極力やらなくていい。
そう思っています。
バッターボックスにたくさん立った人は成長を実感してエクスタシーかもしれないですが、目的的ではないですね。
失礼ながら「努力は報われる」って思っている方の失敗パターンのように思います。
無駄なチャレンジでは残念ながら努力は報われないです。
「量は質を凌駕する」という言葉は大いに賛成なのですが、前の記事でも言ったけどバランスが大事です。
その点を意識して頑張ってくださいね。
ファイト!