アナタがこれから学生を卒業し、社会人になってコンサルタントとして活躍していく上で必要な考え方があります。
それが「時流を読む」という事です。
今回はこの考えを深堀りしていきます。
なぜアナタが時流を読む力をつける必要があるのか、ですがやはり身内がそれで成功しているからですね。
はい、アナタが尊敬するアナタの祖父です。
彼は小卒で印刷会社に丁稚奉公し、印刷会社をたちが下ますが、戦前に「これからはコンピューターの会社」だとコンピューターの会社に切り替え上場を果たします。
今から70年前ですよ?
身内ながら凄いと思います
この時流を読む力。
アナタには是非身につけてほしい。
アナタ自信も社会学が好きだし、未来を想像するととても興奮するでしょう。
昔良くしていた妄想で「過去の自分を現在に連れてきて驚かしたい」というのがあったのもこの要素と合うんじゃないですか?
それ以外にも10代からITに携わっていた事、IT要素がない会社(入社するコンサルティング会社)にIT要素を持ち込んだ事、IT領域に強いコンサルタントとして活躍する事は未来においてITが重要と予測して主体的に取り扱ってきたと理解しています。
ビジネスは未来を予測し、時流に乗ることがとても重要です。
中国のベンチャー社長の言葉でこんな格言があります。
風をつかめば豚でも空を飛べる
彼はアップルを参考にスマホ事業に乗り出し、成功した企業ですが(史上最速で売上1兆円達成)まさにその通りですね。
実はコンサルティング業界にもしっかりと波、つまり時流があります。
70年代は戦略コンサルの時代、80年代は会計コンサルの時代、90年代は人材派遣とITコンサルの時代。
残念ながら今の時代は戦略コンサルは時代遅れになってるんです。
高級文房具と揶揄され採用市場も冷えているみたいね。
一方でITコンサルは強い。
アクセンチュアは世界で売上が兆を超えてるからね。
時流を読むって大事・・・。
しかもアナタの時代もボクの時代も大きな波がたくさん来ています。
特に情報革命の今はドックイヤー(1日が7日分)だから常にに触れておかないとついて行けないようになります。
ちょっとした精神と時の部屋です。
気をつけてくださいね。
最初は我慢して丘の方で丘サーフィンをしながら波の乗り方を身に着けてください。
でも機が来たらがっつり波に乗ってください。
ただ、時流を読むと言ってもそう容易な事ではありません。
どうすればいいか。
ボクは「”歴史”という大きな潮流から予測する事」だと考えています。
一つ例を出して説明します。
スティーブ・ジョブスという方をご存知ですか?
彼は時代の流れを読み取り歴史的な商品開発の成功を何度も実現した方です。
iPhone、mac、ipod・・・
挙げたらきりがありません。
彼の商品に共通している要素は何か分かりますか?
答えを言うと「シンプルである」という事です。
先程挙げたiPhoneやmacなど、究極的に機能が削ぎ落とされてシンプル化されているんんです。
彼は「禅」の信奉者であり、禅の精神である”無障無礙(むしょうむげ)”、つまり「雑念を削り落とし本質のみに集中する」という考え方を踏襲しているのです。
何故でしょうか?
彼はおそらく歴史の大きなうねりの中でシンプルが求められると早期に読み取っていたのではないかと考えています。
まさに歴史から時流を読みとっている事例です。
では、どのように読み取っているのか?ですが、ここでは歴史をアルビン・トフラーの第三の波から考察いたします。
人類史は第1の波である4000年前の農業革命、第2の波である200年前の産業革命の中で確立されました。
産業革命のもと人類はより多く、より大きく、より速くを求めて商業、産業を推進してきたんですね。
でも、それは多くの破壊を生み出し、資源は枯渇しました。
産業革命が生んだ物質主義の反動として反物質の精神が人類の中で生まれました。
そもそも人類史は言わば資源の奪い合いの歴史です。
資源が枯渇した中で、物質を否定する事は当然の帰結です。
物質より非物質、所有より共有(所有型経済から共有型経済への変化)、数量的客観性より社会的主観性、、、と価値観が大きく変わっていきました。
そこでどうなったか。
無障無礙(むしょうむげ)による削り落としが重要になるんです。
物質の否定、所有の否定、数量的客観性の否定ですから、とうぜん無駄を削ぎ落とすという考え方になりますよね。
壮大な人類の反省がシンプルという考えを求め始めたんです。
彼はこの時代の流れをいち早く取り入れたと考える事が懸命のように思います。
このような考え方はシンプル思考は最近流行りのミニマリストなんかもそれに近いかもしれないですね。
ちなみにiPhoneに関して言えば「(物質の否定という考え方から)モノ支配論理からサービス支配論理に変わるのでモノそのもの(iPhone)よりサービス(アプリ、アップデート)に重きを置き、サービスの中でストック構造を構築する」というレベルまで時流を読んで設計しています。
ちなみに、ジョブスさんはこれをスマート革命と名付けて大戦略として展開してきました。
現CEOのティム・クックさんもそれを受け継いでいます。
どういう事かといえば簡単に言えば、これによりモノがコトに全て乗っ取られるという事です。
手始めの標的はモノ代表のエレクトロニクス。
家電とかですね。
エレクトロニクスは日本のお家芸であり、代表企業はソニーとパナソニックとシャープですが、スマート革命の来襲に対応出来ず、今や瀕死状態です。(ソニーは別軸で復活しましたが)
ボクらからしたらTHE・黒船ですね苦笑。
車も家などの「モノ」は新興勢力にこれから多分やられちゃいます。
アップルハウス、アップルカーが出来た時日本はどうするのか。
今真剣に考えなければならないですね。
ここまでをまとめると「人類とは反動の歴史」です。
つまり今の世の中も何かへの反動であって世の中は対比で移り行くんです。
人類史は競争欲求と共存欲求が時代の流れで振り子のように動く。
それを堺屋太一さんは「優しい情緒」と名付けた。
反動とは反省であって、そこには人類の優しさが垣間見えるという事です。
以前多様性の理解を触れましたが、現代になればなるほど人々が暮らしやすくなっているのは人類の優しい情緒、本能的な素晴らしき反省の力なんですよね。
こちらの書籍にまとまっているので是非読んでください。
知価革命 工業社会が終わる 知価社会が始まる (PHP文庫) | 堺屋 太一 | 知識資本 | Kindleストア | Amazon
端的に言えば、森林枯渇の反省で中世が生まれ、産業革命の反省で情報革命が生まれました。
では人類は情報革命で何をもたらし、何に反省するのか?
そこを考えると未来が見え、時流を読むことが出来ます。
あと、重要なポイントがもうひとつあります。
「時流のタイミングを見極める」という事ですね。
2010年にリリースされたスマートフォンですが、実はジョブスさん、1980年代にスマホは既に構想していたんですね。
ただやはりインターネット通信が当時発達していないので大事に温めていたんです。
結構、ビジネスの世界って早すぎて失敗する事があります。
ボクも早すぎていくつかの事業を失敗しました。
時流の中心にはいつもテクノロジーがあると思いますが、言わば「テクノロジー」と「マネタイズ」に大きな溝があるんですよね。
時流を読むってのは単なる先見性ではなく、タイミングを踏まえて正しく時流に乗れるかって事が大事なんです。
ともあれしっかり時流を予測して重要な領域にピボットしてくださいね。
ファイト!