アナタがこれから学生を卒業し、社会人になってコンサルタントとして活躍していく上で必要な考え方があります。
それが「広い器を持つ」という事です。
今回はこの考えを深堀りしていきます。
アナタにとって「強さ」とは何ですか?
腕っぷし?
それもそうですが、ボクの中では「受け入れる」事が強さだと思っています。
つらい事があった時、なかなか受け入れる事が難しいですよね。
でもそれでも受け入れる事が強さだと思っています。
この考えは仏教から学んでいます。
仏陀って知っていますか?
仏教の開祖なんですが、彼が宗教を開いたキッカケは身内の死なんですよね。
身内が亡くなりつらい、でもそれを乗り切らないと行けない。
彼は様々な修行を行いました。
結果彼が出した結論が「苦しみを受け入れる事」だったんですね。
「苦を空じる」と表現するのですが、苦から逃げるのではなく逆に受け入れる事で中和するという考えです。
彼はそれを諸行無常と唱え、悟りを開きました。
辛いことを受け入れる事が向き合うことであり、それが強さだとボクも思います。
この受け入れる度量をボクは「器」と言っています。
これは人間関係においても大事で、悪意があったり、貶(おとし)められたりしない限りは全て受け入れる事がボクのポリシーになっています。
「虫が刺すのは悪意からではない、生きるためだ。」という言葉がありますが、考えは近いです。
もちろん、自分の身を守るために付いた火の粉は振り払うじゃないですが、ある程度の防衛はすべきです。
でも悪意があったり、貶められたりしない限りは一定の理解をすべきでしょう。
相手の攻撃はその背景を考える事が重要です。
この段階は信号に似ています。
悪意や貶めがなければ青信号、悪意や貶めがないものの自分に被害があれば黄信号、悪意や貶めがあれば赤信号。
青信号はもとより黄色信号については感情的な対応はしないと決めています。
ちなみに怒ると叱るの違いは分かりますか?
怒るは感情的に指導する事、叱るは理性的に指導する事。
黄信号は叱り、赤信号は怒ると決めています。
だから部下に対する対応も怒る事はまずありません。
悪意や貶めがあるケースはほぼなく、純粋なミスだからです。
だからまず叱る。
叱った上で「なぜそうなったのか?」を質問する。
このようなマネジメントをしています。
当然ながら昔から出来たわけではないです。
本来比率が青、黄、赤で7:2:1くらいだとしても僕はまさに逆の比率で考えてました。
ほとんどの事を赤信号と捉えて怒ってばかりいた。
怒るだけならまだしも妬み、僻み、憎しみなどかなり邪悪になってました。
ソクラテスの言う魂の腐敗ってやつですね。
福沢諭吉が「学問のススメ」で世の中で最も悪いことと説いた「怨望」(人を恨み、羨み、妬むこと)も同じ意味合いです。
ルサンチマンってやつですね。
あの時は本当にしんどかった。。。
だから過去の自分が反面教師になって日々改善してるイメージです。
で、その器の広さなんですが、以前別の記事で触れた「人を愛する」という考えに繋がります。
「もし相手を自分の意見に賛成させたければ、まず諸君が彼の味方だとわからせることだ。」という言葉はエイブラハム・リンカーンの言葉ですが、やはり敵対的であれば物事がうまく行かないです。
交渉事も相手を受け入れる事から始まると思います。
鯉とりまあしゃんって知っていますか?
鯉とりまぁしゃんとは?|川魚料理専門 鯉とりまぁしゃん 春吉店
鯉を取る名人の方なのですが、まず相手を受け入れる姿勢が大事という事をおっしゃっています。
実はこれ、ビジネスシーンでも活用されているんですね。
孫正義さんは買収をする時は鯉とりまあしゃんになるとおっしゃっています。
ビジネスにおいても器、つまり受け入れる事がいかに大事かという事が分かりますよね。
同じような話がもう一つあります。
ナウシカって知っていますか?
名作アニメですが、印象的なシーンがあります。
ナウシカの相棒にキツネリスっていう動物がいるんですが、かなり人間に警戒しているんです。
でもナウシカが自分の手を噛ませるんです。
そうするとキツネリスがなつき始めるというシーンなんですが、同じことのように思います。
相手を受け入れる広い器が相手を味方にする。
これって人間の世界でも本質だと思うんですよね。
逆に相手を受け入れなければ結果、些細なことで逆恨みにつながったり、いがみ合いにつながったりしてしまいます。
これも「邪悪な人格」ってやつです。
また、自分自身に対しても広い器を持つようにしています。
自分の行いが、うまく行かない時、それをどう捉えるか。
最大限やったのであればその結果を受け入れるようにしています。
最大限やったのであればホームレスになってもいい。
反省はしても後悔はしないってやつ。
そういう思いで日々生きています。
もちろん「諦める」、というスタンスではなく「人事を尽くして天命を待つ」というスタイルに近いですね。
人は小さな存在です。
宇宙規模で時系列で見れば人の人生なんて一瞬だし、地理的に見ればそもそも地球自体がたいしたことない。
最大限やったのなら「もがかない」、「抗(あらが)わない」、その考えが大事です。
(でもその分最大限にやり切る)←ここ大事
そういう意味では自分に対して結果評価ではなく行動評価です。
以前諦めない事の重要性を説きましたがあくまで人事を尽くす、天命には抗わないというバランスが大事です。
結果、どのような結果に対しても受け入れる体制になるので不思議と心が楽になりますよ。
失敗を受け入れる事、難しいことだけどそれが出来ると面白いことに失敗確率が下がります。
前、緊張への対策を伝えましたが、似ているかも。
失敗したら・・・と思うと緊張する、あるいは失敗するというマーフィーの法則は結構真理です。
ボク自身、成功を意識しすぎて意識下で逆に失敗の事を考えちゃいます。(サブリミナル症候群って名付けています)
だから、誤解を恐れずに言えば失敗してもいいやと少しでも思えたら失敗確率が減るんですよね。
アナタはかなり不安症の気があります。
「〜〜したらどうしよう・・・」とかいわゆる杞憂が多い。
でも米国ミシガン大学の調査によれば、心配事の80%は起きないそうです。
加えて、残り20%のうち、16%に関してはしっかり準備をしていれば対応可能だそう。
つまり、心配事のうち実際に起こるのは4%なんですよね。
心配事や不安の96%は起きない。
これが本当なら「悩み」ほど無駄なことはないですね。だって96%起きないもん。
不安を解消して肩の力を抜くと失敗が怖くなくなるんです。
そうすると、以前伝えた前進思考がより強くなるんですね。
どちらにせよ、経営者は不安との付き合い方がうまい。
前向きに考える、みたいなこともあるし、経営者によっては占いで不安を解消する方もいる。
占いに凝っているのは女性ではなく実は経営者に多いという統計もあります。
自分にも周りにも広い器を持てなければ受け入れられないわけですから、必要以上のバリアを張って生きていくことになります。
とてもつらいですよ。
アナタは「日本列島が沈んでも生きていける力をつけたい」とコンサル業界に入りましたが、その分少し個人主義の性質があります。
特にそのような「人を受け付けない」一匹狼のような自分を「俺ってクール」なんて捉えてしまうとさらに危険。
クールな自分は人生にスレてると肯定しようとスレてると拗ねてるは同義です。
共に邪悪。
アナタはそういう節があり、必要以上にバリアを張っているので「3回くらいなら騙されても良い」くらいの器が必要です。
誤解を恐れずに言えば「人生ノーガード戦法」です。
バリアを張り過ぎているのでそれくらいの発想がショック療法かもね。笑
ですから、自分にも他人にも広い器を持って接する。
これを意識してくださいね。
ファイト!