アナタがこれから学生を卒業し、社会人になってコンサルタントとして活躍していく上で必要な考え方があります。
それが「情報革命に関わる」という事です。
今回はこの考えを深堀りしていきます。
以前「預言者になりなさい」という記事を書いたと思います。
これ、1冊の本にめちゃくちゃ影響されています。
それがこれです。
この本は是非読んでほしい。
本当に預言者がいるんだと感動します。
と、同時に今の世の中凄い「うねり」の中にいるんだと感動します。
簡単に説明すると人類史は第1の波である4000年前の農業革命、第2の波である200年前の産業革命の中で確立されましたが、今はまさに「情報革命」のど真ん中にいる、という考え方ですね。
産業革命は動力、交通、産業の3つを大きく発達させましたが、情報革命はそれ以上の変革が起こります。
孫正義さんもこの考えにえらく影響されています。
ここでは社会学部出身の威信をかけて笑、ボクなりの情報革命の捉え方を記載します。
CPU(頭脳)、ストレージ(記憶)、ネットワークの三代技術が情報革命の鍵なんですが、ここではもう少し身近な観点で考えてみます。
(ちなみに情報産業はハードウェア・ソフトウェア・通信で構成されています)
まず情報革命がボク達にどのような影響を与えているか、について以下2つの視点で考察します。
「事業の変化」
「雇用の変化」
まず、情報革命がどのような変革をもたらしたか分かりますか?
そうです。
インターネットの誕生です。
インターネットによって世の中は大きく変化しました。
まずはインターネットがどのような変化をもたらしたのか、という視点で事業と雇用の変化について論じます。
まず、インターネットによって「事業がどう変わったのか」。
一番大きな変化は「社会システムが中央集権型から自律分散型」になった事ですね。
その名の通り中央に集まっていたものが、それぞれが自律し、分散するようになったという事です。
これ国のイデオロギーに似てます。
資本主義(国が管理しない分権的自由経済)と社会主義(国が管理する集権的計画経済)の違いみたいなもんですね。
後者は無駄な情報が多く、情報効率化ができず破綻したけど、同じような事が起こっています。
どういう事かと言うと、今までってビジネスって言わば様々な制約がありました。
例えば、場所的制約。
当然ビジネスをする為に店舗という場所が必要ですよね。でも土地って凄い高いです。家賃もバカにならない。
とても大きな制約です。
そして、地理的制約。
当然日本でビジネスをする場合、海外を相手にビジネスをするって大変ですよね。
文化も違うし、言葉も違う。。。
そんなの大手商社しか出来ないですよね。
そして、生産的制約。
従来のビジネスって制約上かなり大掛かりなので投資回収するには生産ロットが多くなければ割に合いません。
どうしても大きなロットで生産しなければならない、という生産的制約があります。
そして何より資金的制約。
今までお伝えした制約とも関わりますが、まあお金がかかる。
だから初期投資というハードルが最も大きい制約でした。
以上、ビジネスには「①場所」「②地理」「③生産」「④資金」の制約があったんです。
で、インターネットの台頭でどうなったか。
驚くなかれ、全ての制約がなくなったんですよね。
事例をお見せしましょう。
アナタはこれから会社を立ち上げます。
売る商品は何が良いでしょうか。
雑貨にしましょうか。
従来でしたら、銀行からお金を借りて店舗を立ち上げ、商品を仕入れ、販売するという流れですね。
実際に進めていく中で仕入先や販路の開拓など行う必要があります。
しかし、インターネットが誕生してからはどうか。
まず、店舗はECショップですね。年間の土地代はサーバー代数万程度。(①)
インターネットはワールドワイドなので地理的な制約はありません。
その気になれば海外に同予算で出店が出来ます。(②)
生産についても最近の技術で言えば3Dプリンタで小ロットでの販売が可能です。(③)
資金についてはどうでしょうか。
クラウドファンディングで銀行に頼らず、集金が可能です。(④)
当然事業自体がどう拡大するかは経営者の手腕なのであくまで制約条件がなくなったと言う事。
鎖に繋がれた象ではないけどここに対して見えない制約に縛られるのは人間のサガですね。
話を戻します。
インターネットにより「社会システムが中央集権型から自律分散型」に変わった、とお伝えしました。
これ、もっと簡単に言えば、様々な制約で大企業しか出来なかった事業が個人でも出来る時代になったという事です。
中でも大きいのは生産じゃないかな。
3Dプリンタで大量生産で犠牲になっていたニッチマーケットを開拓出来るってエグいです。
だから企業レベルではなくて個人レベルで小ロット展開するという事も可能なんですよね。
しかも生産物を国の税関を通さずに出来ちゃたりします。
そもそも「経済と政治」は土地と資源の奪い合いの歴史なんですが、3Dプリンタを筆頭に水力発電やIOTで資源は新たなステージに来ているんですね。
(これはまた別の機会に触れます)
今はやっているエアビーアンドビーやウーバーも大企業ではなく全て小さなベンチャーが立ち上げています。
制約がないからアイデア次第で世界を圧巻出来ちゃうんです。
この時点で凄いんですが、さらに凄いのが2つ目の「雇用の変化」です。
ここまで読み進めると分かると思うんですが、これからは「企業」ではなく「個人」の時代になります。
ちなみに先程触れたエアビーやウーバーも企業から個人への変革です。
「シェアリングエコノミー」ともてはやされていますが、違います。
ホテルもタクシーも所有から利用の変化であり、シェアリングエコノミーは昔からありました。
違いは供給者が法人から個人になった事です。
ボクは「1億総フリーランス時代が来る」って言い続けているんですが、思ってるより早く来るんじゃないかな。
失礼な表現かもしれないけど意識高い系は皆フリーランス、あるいは独立し出します。
芸能人とか独立しまくるよ。
だって制約ないもん。
雇用形態がどうなるか、ってことだけど端的に言えば「ハシゴ」ではなく「ジャングルジム」になります。
ハシゴってのは例えばあるプロジェクトがあったとして、その会社の社員が序列に沿って参画するイメージですね。
ジャングルジムは様々な強みを持った人が社内社外関わらず、そのプロジェクトに関わるって意味です。
オープンマイクって知っていますか?
一般的なライブはアーティストが舞台に立ってパフォーマンスを披露しますがオープンマイクは違います。
ステージにあるのはマイクだけ。
歌いたい人が観客席から手を挙げて歌う。
それだけ。
企業はそんな感じになりますよ。
このプロジェクトやりたい人〜って募集して、それをやりたい個人が手を挙げるみたいな。
だから、会社の結束って「互助会」のようなゆるいものになります。
「会社はプラットフォームに過ぎない 」 「自分で 『チョイス 』して 、生き方をマネジメントしよう 」 「人生は長い 。キャリアプランよりライフプランを描こうよ 」といった考え方が主流になります。
ワ ークとライフ 、社員と顧客やプレイヤ ーたちが入り交じった 、自律分散的な 「森 」の集合体みたいなイメージです。
凄い難しい言葉で言えば垂直統制型ヒエラルキーから水平協働型コモンズへ、大企業型からp2pコラボレーションへ移り変わります。(ブロックチェーンなど)
ちなみにこの働き方を逆手に取ったのがアップルです。
ビジネスプロセスが個人に開放されたから企業はリソースを解放し、作るから作ってもらうへ変わるんですが、その先陣がアップル。
アプリってアップルが作ってるんじゃなく、サードパーティという個人や関係ない企業が作ってるんですよね。
脱自前主義という観点でもアップルの発想は早かった。
ジョブス恐るべし・・・。
これが情報革命の核である「インターネット」がもたらした変革です。
そしてもう一つ大事な事があります。
これはインターネットに限らないのですが、情報革命がもたらした変革に「世の中のデータ化」があります。
要は世の中を全てデータ化し、全てを効率化するという事です。
その中心に「AI」があります。
AI以外にも「IOT」「ビックデータ」「ロボット」という言葉がありますが、全てAIの付属物でしか無いですね。
IOTは世の中の全てをインターネットの中に取り込むという事で、その先にはAIによる最適化があります。
ビックデータもAIが最適化する為の材料であるデータを示したものでしか無いです。
ロボットもAIが頭脳だとすればそれを人型に見せ方を変えたのがロボットです。
AIって最近できたものではなくて結構歴史長いんですよね。
ついでにAIの歴史を少し触れます。
第一次AIブームは推論の時代で計算機のようなものです。
第二次は知識の時代でデータベースのようなものです。
第三次は深層学習で頭脳の時代。
この歴史も古くてアナタの好きなドラクエ4もAIモードってありましたよね。
キャラクターが学習して自動で攻撃するってやつ。
当時はクリフトの無駄なザラキにイライラしましたが、同じ考えです笑。
ここでトイプロブレム(レベルの低い問題解決)が解消され、2012年にGoogleが猫を認識したことが新たな時代の始まりとなりました。
Googleの中のAIが犬と猫を画像で識別したんですよね。
凄いですよね。
人間で言えば2歳から5歳くらいへの成長。
これからAIがさらなる進化をして世の中を変えていくでしょうね。
ちなみにAIは30年後血球レベルまで小さくなって免疫に入って寿命拡大、本格的VRなど脳の代わりを行うって言われています。
今ですらスマホがストレージの役割を担っているし、そんな時代になればボク達はすでに一部有機物、一部無機物になっていると言えるでしょうね。
これまた凄いですよね。
日本は49%の仕事がAIで消えるって言われていますが、まずAIに向き合う事が大事ですね。
この雇用の流れも先程の第三の波では「プロシューマー(生産する個人)が台頭する」と予言をされています。
あの有名なドラッガーも2002年の書籍(ネクストソサイエティ)でこのように予言しています。
①企業の従業員支配からプロフェッショナル主導へ
②画一的フルタイム労働から勤務の多様化へ
③統合的経営から分業 ・アウトソ ーシングへ
④メ ーカ ー主導から市場主導へ
⑤産業ごとの独自技術からクロスボ ーダ ー技術へ
ほぼ当たってる。
預言者凄いですよね。
ちなみに第三の波と同じような予言をした方が日本にもいます。
梅棹忠夫さんという方なのですが、情報化社会を情報産業と銘打ち理論を展開しました。
凄い面白い考え方なんですが、前途した3つの革命が人体を補填しているという考え方なんです。
例えば、人間には胚葉という消化器官があり、消化器官の内胚葉(はいよう)、筋肉の中胚葉、頭脳の外胚葉と分かれています。
農業革命はこの内胚葉を補填したもの、産業革命が中胚葉を補填したもの、情報革命が外胚葉を補填したもの、という考え方です。
産業革命は人間の体で言えば手や足、目、耳、口など、いわゆる五体の各部分を拡張させた筋肉の拡張だったと思いますが、情報革命は脳の働きの拡張です。
それぞれの文明が腹の足し、筋肉の足しから頭脳の足しへと充足していったという考え方ですね。
この理論は脳の働きという観点でもう一つ面白い示唆を与えてくれます。
脳の働きを大きく2つに分けると、知識と知恵というものがあります。
今までのインターネット革命は知識の革命だからあんまり丸暗記しなくても検索で済むようになりましたが、これからは知恵の革命になると主張しています。
肉体労働はその賃金ほどしか対価を得ない事に対し、頭脳労働の人は、平均的により大きな賃金を得ます。
でも同じ頭脳労働の中でも、物知りだという人が得られる賃金の対価の平均より、知恵を働かせ、人よりもたくさん考えて深く洞察し、新しいものをつくり出していく人の方がはるかに大きな対価を得ますよね。
これは以前お伝えした知恵の考え方と繋がります。
このように人類レベルの革命に寄って手足から脳に重要性が移行しつつ、脳活用のあり方も変わってくるという観点は非常に興味深いです。
そしてこの文明の進化が人類にどう作用するか。
ボクは人類の幸福度が上がると思っています。
AIで仕事がなくなるといった側面が有りながらも文明が加速する事によって人々は豊かになる。
衣食足りて礼節を知ると言いますが、結果的に人々の精神はより豊かになると信じています。
以上がボクなりの情報革命への考察でした。
このような考え方はとても大事なのでしっかり身につけてくださいね。
ファイト!